Masayoshi K. Hiraiwa's Website

平岩 将良
近畿大学農学部(東邦大学 → 神戸大学 → 農研機構 → 近畿大学)

生態系は多様な生物種が複雑に相互作用することで成り立っています。私は実際に野外から得られたデータを解析することで、人間活動や気候変動が生物多様性や種間相互作用、生態系機能に与える影響やそのメカニズム解明を目指して研究を行っています。また、多大な労力を要する生物群集の調査を効率化するため、深層学習を用いた生物の自動検出技術の開発についても取組んでいます。

主な研究テーマ

キーワード:送粉生態学・群集生態学・島嶼生態学・送粉ネットワーク・生物多様性・機能的多様性・深層学習

News & Recent Publications

2025年6月19日—ニガウリの送粉者としての昼行性スズメガの利用可能性に関する論文が掲載されました

岸茂樹さんらとの共同研究「Diurnal hawkmoths as alternative pollinators for bitter gourd」がJournal of Economic Entomologyに掲載されました。ニガウリの主要な送粉者はミツバチだと考えられていますが、ミツバチは雄花に偏って訪花するという欠点があります。一方で、昼行性スズメガ(ホウジャク)は雄花と雌花を同程度の頻度で訪れるため、ニガウリの有用な送粉者になる可能性があります。実用化までにはまだまだハードルはありますが、ミツバチの代替送粉者としてホウジャクという新たな選択肢を提示しました。

・本文はこちら

2025年6月12日—人口減少が生物多様性に与える影響に関する論文が掲載されました

内田圭さん、Peter Matanleさん、Yang Liさん、藤田卓さんとの共同研究「Biodiversity change under human depopulation in Japan」がNature Sustainabilityに掲載されました。生物多様性減少の原因のひとつとして人口増加が挙げられますが、では人口が減れば、生物多様性は回復するのでしょうか?本論文はモニタリングサイト1000という大規模な生物多様性のモニタリングデータを解析することで、人口減少は自動的な生物多様性の回復をもたらすわけではないということを明らかにしました。

・本文はこちら
・プレスリリースはこちら
・環境省生物多様性センターのモニタリングサイト1000についてはこちら。データ採集に関わった多くの方々に感謝します。

2025年4月10日—花形質(色や形)と送粉者相の関係を調べた論文が掲載されました

石井博さん、辻本翔平さん、角屋真澄さん、渡邉裕人さん、甲山哲生さん、丑丸敦史さん、工藤岳さんとの共同研究「Linkage between community assemblage of floral traits and pollinator fauna: a comparison among six geographical regions」が Plant Biologyに掲載されました。送粉者の組成が異なる6地域(日本の草原と高山帯、モンゴルの草原、スウェーデンの亜高山帯と高山帯、ニュージーランドの高山帯)において、植物の花形質(色、相称性、筒の長さ)を調べました。その結果、送粉者の組成と花形質に強い関連が見られ、特に、ハナバチ類が少なく、ハエ類が優占するニュージーランドでは花色が白や黄色に偏るといった面白い傾向が見られました。

・本文はこちら

2025年4月2日—寄生植物の送粉に関する論文が掲載されました

渡津友博さん、保坂哲朗さん、丑丸敦史さんらとの共同研究「Pollinator is a housemate: Aeginetia indica, a parasite on Miscanthus sinensis, is pollinated by Ceratina bees nesting in its host」がPlant species biologyに掲載されました。ススキに寄生する植物であるナンバンギセルは、ススキに営巣するキオビツヤハナバチによって送粉されていることを明らかにした論文です。送粉者が訪れにくい暗い環境で送粉者を利用する仕組みとして、宿主が同じ送粉者を利用するという新たな可能性を見出しました。

・本文はこちら Editor's Choiceに選ばれました!
Figure from PSB paper Figure from PSB paper

2025年4月2日—HPが移転しました

サーバー変更のためHPが移転しました。URLが変わったのでリンク先の変更をお願いします。

2024年2月18日—送粉ネットワークの論文が掲載されました

丑丸敦史さんとの共同研究「Loss of functional diversity rather than species diversity of pollinators decreases community-wide trait matching and pollination function」がFunctional Ecologyに掲載されました。マルハナバチ類やチョウ類など長い口吻を持つ送粉者の減少(機能的多様性の減少)はネットワークレベルの花と送粉者の形態のミスマッチを引き起こし、その結果、植物群集全体の送粉成功を低下させることを明らかにした研究です。

・本文はこちら(AbstractのJAボタンを押すと日本語の要約が読めます)
・この論文の内容がFunctional Ecologyのblogで紹介されました!
Figure from Functional Ecology paper

2023年2月27日—「Rによる数値生態学」が出版されました

私が翻訳に関わった本「Rによる数値生態学」が出版されました。群集生態学でよく使われる序列化や多様度などを計算するRコードが載っている実用的な本になっています。

・詳細はこちら
Book cover

2019年2月21日—ネットワークに関するシンポジウムで研究発表を行います

シンポジウム「ネットワークが切り拓く生態学の最前線」にて「送粉ネットワークのジェネラリスト化による送粉機能への影響ー都市と島の生態系を例に」というタイトルで発表を行います(3月19日9:30-12:30 Room B)。是非お越しください!

・要旨はこちら

2019年2月21日—アザミウマの送粉に関する論文が掲載されました

末次健司さんらとの共同研究「Thrips as a supplementary pollinator in an orchid with granular pollinia: is this mutualism?」がEcologyのThe Scientific Naturalistに掲載されました。ハナアブが主要な送粉者であるカキランにおいてアザミウマが補助的な送粉者として機能しているのか調べた研究です。

・本文はこちら

2018年4月1日—新年度になりました

新年度になりました!今年度もよろしくお願いいたします!源研究室(環境DNAなどを研究)にも所属することになりました。源研究室の皆さまよろしくお願いいたします!

2018年3月18日—ポスター賞受賞

共同研究をしている角屋真澄さん(富山大)が第65回生態学会でポスター賞優秀賞を受賞しました。おめでとうございます!

「虫媒花における、花色と形態の相関進化ー送粉者相の異なる地域間の比較ー」
*角屋真澄,辻本翔平,久保田将裕,渡邉裕人,伏黒陽大,平岩将良,丑丸敦史,工藤岳,石井博

 

2017年7月26日—三宅島の噴火と送粉ネットワークの論文が掲載されました

2017年7月26日 — 吉川徹朗さん、岸茂樹さん、櫻なささん、加藤和弘さんとの共同研究「Interaction between insects and insect-pollinated plants on Miyake Island after a recent volcanic eruption: A comparison between vegetation types」がJournal of Asia-Pacific Entomologyに掲載されました。大きな噴火があった三宅島において、植物-送粉者ネットワークを植生間で比較した研究です。

・本文はこちら

2017年3月15日—ポスター賞受賞

共同研究をしている清水健将さんが第64回生態学会でポスター賞優秀賞を受賞しました。おめでとうございます!
「都市化による機能群多様性の減少が植物‐送粉者ネットワークに与える影響」
*清水健将, 平岩将良, 丑丸敦史(神戸大・人間発達環境)

2017年1月13日—伊豆諸島の送粉ネットワークに関する論文が掲載されました

丑丸敦史さんとの共同研究「Low functional diversity promotes niche changes in natural island pollinator communities.」がProceedings of the Royal Society Bに掲載されました。近年進行するマルハナバチなどの長口吻送粉者の減少が植物に与える影響評価を伊豆諸島の群集を用いて行った研究です。

・本文はこちら
・日本語の要約はこちら

2016年12月26日—ウェブサイトを開設しました

ウェブサイトを開設しました。よろしくお願いします。